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みずみずしい

みずみずしい
という言葉の感触を知ったのは、
いつのことだったのだろう。
幼い頃、
摘んだれんげをスカートにたっぷり抱えて
れんげ畑の真ん中にすわったとき
足とおしりが感じた草の感触。
れんげの首飾りを作るのに、
ずいぶん長い時間すわったままで
まだずっとすわっていたいと思うのは、
れんげ畑が気持ちいいから。
あの時、
おしりが味わっていた草の呼吸
れんげが手と指に与えた呼吸を
いまも忘れない。
その呼吸の
なんとも満たされた心地だったこと。
れんげ畑のその時間
子どもながらに
きれいだな
と感じる極上の時だったのだ。
美しい感触
というものを、
たぶんこの頃知ったのだ。
まだクーラーのない
夏の終わりの畳の上で、
うちわ片手にちゃぶ台囲んで、
見るだけで涼しかったくだものを食べた記憶。
舌が感じるより先に
目にうるわしいしたたる水気。
皮をむけば
梨は光って
一口かじれば
からだ中がピチピチした。
お皿いっぱい重なった葡萄の房は
ぷりぷりで
つやつやで
指で触れるとぷりんっとしていて
皮いっぱいに張りつめた実の
まるまる育った充実が
口の中ではじけ飛ぶ。
どうしてだろう
はじけた実のよろこぶ気持ちが
からだ中をめぐっているのを
きらきらした星空を見るように
きれいだな
と感じていた。
みずみずしい
という感触は、
こうして私に住み着いて
いまでも思わず叫んでしまう。
心の中で
きれい!
と。
みずみずしい葡萄をいただきました。
犬山のOさん、ごちそうさまです!
名古屋はまだ秋には遠い暑さだったとか。
みずみずしさ、からだ中にめぐらせます!
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