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いのちを生きる

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シルバー連休初日の19日、創作遊び作家のたにぞう(谷口國博さん)が主宰するSmile Kids の発表会を見た。写真がそれ。
素晴らしかった。
3歳か4歳の子どもたちからそのお母さん、幼稚園の先生、保育士さんたち、みんな素敵だった。あんまり感動してしまい、しばらく言葉を発せなかった。
ステージ終了後、久しぶりにプロデューサーのたにぞうご本人を楽屋に尋ねたものの、「素晴らしかった!」としか言えなかった。ただ手を出して強く握手だけして帰った私。

子どもたちが音楽とまみれて全身で踊る姿を、会場いっぱいに詰めかけた家族や友達や先生たちが見守る。
ステージはすでに舞台の上だけでなく、会場全体が表現の場に変容している。
全身が喜ぶリズムに溢れた踊り手たちと、それを受け取って音楽の中で共振して喜ぶ観客。
この興奮は、子どもの発表会というお決まりの世界から舞台芸術の醍醐味をしっかり湛えた非日常の空間だった。

たにぞうさん!
素晴らしいお仕事していますね。
子どもたちが、「いのちを生きる」っていうことを子ども時代に体験できたら、その子の人生はだいじょうぶなんだ。
常々そう思っている私だけれど、「いのちを生きる」場所や機会を提供できる本物の大人がいま、本当に必要だと感じているから、こういう仕事に心から敬意を表します!

素敵です!
素敵な子どもを生んでいるたにぞうさんご自身が、本当に素敵です!

そうして翌日20日には、楽しみにしていた新作文楽「天変斬止嵐后晴」(てんぺすとあらしのちはれ)を、国立劇場で観た。
シェークスピアの「テンペスト(あらし)」を原作に、平成4年に初演されてから今回が2回目の再演。
ほほう。文楽もここまで新しい世界へ扉を開くのか・・・。その包容力の豊かさに関心というか、自分の頑さを自覚させられつつ、楽しんで観て聴いた。

文楽の面白さと楽しさは、やはり何と言っても大夫と三味線の迫力ある演奏のかけひき。そして人形遣いの絶妙な動きの美しさという三者のアンサンブル。中でも、大夫の言葉の歌うような語りの迫力には、病みつきにならざるを得ない心地よさがある。
もし私が、子どもの頃から文楽を観ていたら、大夫の口まねをかなり上手くできるようになっただろうな・・、といつも思う。
今でも結構やれますけど・・(笑)。

言葉のリズムと抑揚の美しい音楽が、聴く者を完全に芝居の世界へ誘ってしまうのは、まさに舞台芸術の真骨頂。
日本人にしかわからないのだろうか、大夫と三味線の掛け合いの間の心地よさほど、芝居を白熱させるものもない。
こういう芸能が存在していることを、日本の子どもたちにちゃんと伝えないといけないと、ここでまた思うのだ。

たにぞうのSmile Kidsと、人間国宝の演じる文楽を一緒の次元で考えることは邪道と言われるかもしれないけれど、でも、私がどちらの舞台からも、全身の興奮する心地よい感動を味わうのは本当だ。

日々稽古を積んでいる文楽の芸人さんたちの、「生きるいのち」が炸裂する現場を見せつけられる舞台は、その時空を共有している観客に生きている実感を生々しく感じさせる一瞬の「とき」を提供する。
感動が言葉に表せないことを実感する経験。
こういうことが多いほど、ひとは豊かになるのじゃないかと思えるから、幼い時にこういう時空の触感を味わうことは大変な財産だと思う。

音楽も、教えるとか教育するという次元で子どもと接するのをやめて、「いのちの生きる」現場を共有する機会の提供になればいい。
いつもそう思ってきたけれど、ますます思う。

「教える」というのがどうやっても好きじゃない私は、どこかで常に自己矛盾と闘ってこれまで教育の世界との関係を持ってきたのだけれど、そうだよ、そうやって「いのちを生きる」ことをいっしょにやろうよ!って堂々と言えばいいんだな。
歌のなかで。
リズムのなかで。
音楽のなかで。
言葉のなかで。

こうして我が家では、毎夜「表現」についての議論が白熱するわけで、演奏家の夫も、言葉を紡ぐ私も、やっぱり子どもそのものだったということに気づいてしまうのです。

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市原よしみ

Author:市原よしみ
音楽家、作詞家
うた・・うたいます。
ことば・・書きます。
ゆめ・・描きます。
こえ・・聴きます。
みみ・・澄まします。
いろ・・しあわせですす。
こども・・あこがれです。
かみさま・・すべてです。
めぐみ・・感謝だけ。

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