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黄金色の時間

エビス出会い
美しい黄金色の時間というのは、意図しない日常のふっとした瞬間に与えられる。
今夜もそうして降ってきた時間。
どこからか、温かい音と声と光と笑顔をともなって。
降ってきた時間をたっぷり浴びたら、黄金色になった私たち。
この時間は宝物。
黄金色の宝物。
最近15年ぶりくらいに再会した高校時代からの友人に誘われて、ガーデンプレイスクワイヤの定期演奏会を聴いた。
場所が素敵だ。
恵比寿ガーデンプレイスの恵比寿麦酒記念館銅釜広場。
初めて訪れた麦酒記念館はサッポロビールの本社地下にあって、ビールの製造工場の中といった感じ。
“バッハに捧げるオマージュ”と題された今夜の演目は、バッハの『モテット第3番』「イエスよ、わが喜び」、信長貴富さんの『混声合唱とピアノ(四手)のためのゴールドベルク讃歌』、そしてフランク・マルタンの『二重四声合唱のためのミサ』。
どの作品も、バランスのよい美しく繊細なハーモニーを奏でたこの合唱団は、なんと創団以来ずっとこの場所を練習場所にしてきたという。恵まれた環境で13年間練習を続けてこられた成果は、ヨーロッパの教会を思わせるこの響きの地下で、まさにビールとともに熟成してきたという感じ。
とても美しい演奏だった。
でも、ここでの演奏は今夜が最後とのこと。今日はそんな特別の時間だったのだ。そんな時間を共に過ごせたことはしあわせだった。
合唱の演奏会は久しぶりで、美しい宗教曲の演奏もとても久しぶりに聴いた。
もう30年も前に高校時代を一緒に過ごした令ちゃんと、こうして音楽の喜びを語り合いながら過ごせる今夜が、特別な新しい時間に思われて素直にしあわせだった。
音楽の感動を渇望しているお互いの感覚が、10代の震えていた日々の感覚の高鳴りを甦らせて、年齢とともに鈍くなるなどと世間の言う感性が、私たちには30年経った今現在さらに鋭く呼吸するのを確かめ合った。
嬉しかった。
終演後、静かにしあわせを抱えて帰ろうとすると、ここにも出会いが降ってきた!
井上恵理さん
照れ笑いする3歳児の女の子のような私の大好きな笑顔が、今夜の指揮者櫻屋敷滋人さんと話していた。
恵理さんと、目が合うなりハグしてしまう。
恵理さんは、日本を代表するリトミックの指導者なのだけれど、この人のあどけない笑顔と何事にも心の底から感激する単純な(失礼!)喜びの声とくりくりの瞳が、やはり私を素直にする。
理屈抜きにかわいらしい人だ。
私たち4人は、ここで国立音楽大学という共通の世界で瞬時につながって、ひとしきり会話する。
恵比寿ガーデンプレイスの中庭は、日本とは思えない美しく広い空間を石造りで実現している。中央には色鮮やかな花たちが花壇を彩り、恵理さんと令ちゃんと私の3人はしばしベンチで秋の夜を楽しんだ。
音楽に魅せられていること。
多くの才ある人に魅せられていること。
音楽で繋がり合える関係に魅せられていること。
互いの今にもこれからにも期待して応援し合えること。
そんな暗黙の共通項が一緒の時間を照らしてくれて、手にしたカフェフローズンを飲み終えて立ち上がると、私たちは黄金色になっていた。
いい気持ちだ。
あたたかくてすずしくて、かろやかでりらっくすして。
黄金色の時間が降ってきた秋の夜。
*写真は、井上恵理さんと。

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市原よしみ

Author:市原よしみ
音楽家、作詞家
うた・・うたいます。
ことば・・書きます。
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