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大切な日になりました

ブログ6月8日2

 裸になって頷くことのできる大切な日になった今日です。

 私の不安定な体調のせいで、長らく滞っていた書き物の仕事を再開させようというので、アルテスパブリッシング社長(音楽出版社)の木村元さんと久しぶりにお目にかかり打ち合わせをしました。
 木村さんとは、出会ってからかれこれ7年。いつお目にかかっても私に安心感をくださる方です。彼の性格が、いや彼の謙遜さが、いや彼の知識が、いやいや彼のやさしさが・・・、などといつもあれこれ思っていたことですが、その理由が今日判明したように思います。

 私のこのところの体調不良は、30年以上も前に発症した離人症の延長線上にあるような鬱的症状がこの2年ほどたびたび表れるようになっていたこと。今年に入って特にそれが頻繁になり生活を乱していたこと。鬱と言っても単純に「憂鬱」とか「鬱々」といった類いの様相ではなく、生活の何物にも実感の伴わない意欲のない、感情や自己感覚の薄れた状態の続く今回の状態が、やはり離人的な要素を強く持ったものであることに思い至って、30数年ぶりに思い切って病院受診する決意に至ったのも、自分の辛さもさることながら仕事で関わりのある皆さんへのご迷惑がこれ以上広がっては、もう仕事はすべて一切を自分の手元から放す必要があるのかもしれないとも考えたからでした。

 そういう思いになるほどに、やはり離人感というものがもたらす生きた心地のしない苦しみというものが、なんとかそれから逃れたいと欲して生きている自分をこの手で感ずることを渇望する強い欲求が募ったからでした。
 このブログに離人症である自分について表明してみたこともまた、その苦しみの渦中にある自分を解放する一つの試みだったと思います。

 そんな私の試みを読んでくださっていた木村さんが、なんと驚く発言をお目にかかるなりなさったのです。
 「実は、私の父は離人症の研究などを専門に行ってきた木村敏なんです。」
 えええええ〜〜〜!!??
 日本の精神病理学の第一人者でいらっしゃる木村敏先生が、木村さんのお父様だったのです。
 そして今日の打ち合わせは、お父様のご研究の中心にあった離人症をはじめとする精神疾患の話題から、自己とは何か、人と人とのあいだ、音と音とのあいだ、時間と自己、環境とあいだ、、、などお父様のご研究からの木村さんが近くで味わい知って来た人間の見えない精神の計り知れない深さと危うさとその脆さについてなど、語り合うことのできた大切な時間になりました。
 この語り合いが、私をどれくらい安堵させたことでしょう。理解してもらえる人に出会えるとはなんという助けでしょうか。

 

 会話の中でキーワードになった「におい」という言葉を使うなら、木村さんには離人症に限らず人の精神の遥かな広野について打ち明けても理解してもらえる「におい」がしていたのでした。それがお父様の影響だけではないにしろ、お父様の精神医学から臨床哲学への真摯な心の傾け方をそのまま受け継いだ彼の眼差しをつくっているものだったのだと知ることができ、また改めて木村敏氏を知ることにも繋がる出会いになったことは、私にとって宝のような救いの時になりました。

 今ごろながら、まずは帰宅してすぐに木村敏氏の著作「自己・あいだ・時間」「時間と自己」「あいだ」「自分ということ」の4冊をネットで注文しました。
 ああそう、もう一冊氏の伝記でもある「精神医学から臨床哲学へ」も読んでみようと思います。

 それにしても、宮澤賢治をはじめ多くの文学者や音楽家たちが苦しみつつも離人感の中で作品を生んできたことは、私にとっては今はようやく力になるものになるようになりました。宮澤賢治の共感覚の実際などを読むと、自分にも存在しているそうした感覚についても改めて気づかされながら、やはり書いていかないといけないと思わされることにも繋がるようです。

 
 才能とか能力とかそういったものとはまた別なところに存在している病体としてのこの感覚というものを、今後はもう少し肯定的にそのまま苦しみの中で表現の形をとっていけたらよいのかもしれません。
 この病気に出会ったことで神との出会いが与えられた私の人生は、やはり自分でコントロールするものでなく、もうこの先は神の御手に委ねてたとえそれが苦しみを伴うものだとしても神の望まれるように導いていただきたいと願っています。
 であるなら、私のこの病体との付き合いによって生まれる何かを神様が用いてくださると信じようと思うのです。

 今日は特別な日になりました。
 病院を受診するのとはまったく違った治療がなされたような2時間ほどの時間。
 木村さんに心から感謝です。

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市原よしみ/大谷よしみ(惠美)

Author:市原よしみ/大谷よしみ(惠美)
こどもたちお母さんたちと音楽をしながら、ことばを紡いだり、ぼんやりしたり、夢中になったりしています。美しいものに心を奪われて「きれい〜〜」と感じるのがとても好きです。うっとりしながら喜んで過ごす毎日の中で、どんどん繋がる新しい出会いに感謝して、神様からの恵みを数え笑顔で歌っています♪

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