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長崎の鐘

明日は8月9日、長崎原爆の日。
ソプラノ歌手藍川由美さんの「古関裕而を歌う」コンサートが、明日15時から東京文化会館(小)で行われる。
「原爆をヒロシマ、ナガサキの問題で片付けるような日本人になってはいけない。そんな気持ちから原爆の日に『長崎の鐘』を歌ってきました。」(HPより)と藍川さん。
1993年に朝日新聞主催で開催以来、98年からは敢えて開催日を8月9日に定めて『長崎の鐘』を演奏していらしたこのコンサート、明日の~古関裕而生誕100年~で、シリーズを終える。
聴いていらっしゃらない方があったら、是非出向いて聴き、いっしょに歌ってほしい。

藍川さんに教わったことはあまりにも多いのだけれど、古関裕而の仕事を知るにつけ、時代の中で生きる作曲家、表現者の存在の意味、成すべきことごとについて思いを傾けるチャンスを与えられたのは、何よりしあわせなことだった。
そして彼女の歌。
魂を揺さぶる歌とはこういうものだ。
歌を聴いて、自分自身の奥の奥から呻くような悲しみと怒りと痛みとが、身体の中で流れ出す。
全身の水分がからだじゅうを巡って、顔の穴から溢れるのを止めることができなくなる。

明日の藍川さんの演奏では、この歌の元となった随筆原作者永井隆の短歌に古関裕而が作曲したサビ部分も聴くことができるはず。胸に迫る気高い歌だ。
明日は、古関裕而の初期作品、戦時歌謡、戦後作品の3部仕立てで演奏される。

『長崎の鐘』には、原爆を表す直接的な表現はない。そういう言葉も出てこない。
広島の原爆で弟を失ったというサトウハチローの詩は、深い悲しみを重々しく含んでなお美しい。
その美しさに、私自身の生き方を示される神聖な気持ちになるのも本当のこと。
そう、原爆の悲惨さの根源をいつも思うあり方でいたいと思う。

では、サトウハチローの美しい詩を一節だけ。
こんな詩が、いつになったら書けるだろう。


こよなく晴れた 青空を 
悲しと思う せつなさよ
うねりの波の 人の世に
はかなく生きる 野の花よ
  なぐさめ はげまし 長崎の
  ああ 長崎の鐘が鳴る

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Author:市原よしみ
音楽家、作詞家
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