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衝撃と霊感と

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 東誠三さんのピアノリサイタルを聴いた。

 「衝撃と霊感に打たれた」という感覚で、帰宅まで身体の火照りと高揚したどこか中心がそれでも静かにその意味を私自身に説明してくれようと、ことば探しに熱中しているのを、当の私はほとんど宙を浮遊したまま微笑んで眺めている。

 どうしても忙しくなってしまった師走の日々の中、東さんの演奏する空間に身を投じたい衝動にかられて出かけた今日の選択が、これほど大きな意味を持ったことに感謝しきり。

 紀尾井ホールで開かれたサイタルは、全曲リスト。
 ご連絡をいただいた時には正直目を疑ってしまったプログラム。本当にこれを一人で立て続けに演奏するのだろうか。からだがもつのか。精神力はいかに・・・。
 そしてもちろん、期待を圧倒的に破って超えた全曲リストによるマチネは、透徹した高い高い崇高な世界へ聴衆をみな運んでしまった。
 
 私にいたっては、鼻水も汗も涙も身体じゅうの水分があまりの衝撃に溢れて止まらない。にわかに内部から熱がふつふつとこみ上げて全身が熱の塊のようになってしまった。
 リストとは、これほどに精神性の高い内面的な深い信仰的表現者だったのか。
 
 そして東さん。
 池田卓夫さんのプログラムノートによれば、楽曲から立ち上る「人間の根源的な祈り」「崇高なものを常に求め、多様な道から究めようとした思い」が、この神聖な音を奏でてしまうピアニストのリストに惹かれる所以と綴る。ピアノの音色も音楽も、およそピアノという楽器一台で演奏しているとは信じ難い多彩な姿。多彩で表現のスケールが信じ難く大きい。

 感動ということばは、こういう現実に直面した時の身体的な衝撃を言うのではないだろうか。
 自分の意識が感じる以前に、からだのすべての部分にその衝撃が伝わって細胞の一つひとつが思わず動き出してしまう。じっとしてはいられないのだ。感じて動くのは心だけではなく神経を中心にからだの全部の部分だと思う。

 言葉であらわすことなど到底できない美しく感動の演奏だった。
 東さんの、これからの演奏がますます聴き逃せない。もちろんご本人の今後の活動の方向性や音楽家としての志向など、ますます興味津々です。
 
 そして何より、私自身たいへんなエネルギーと霊感(スピリチュアルなと言ったらいいのか)を与えられた時間に。
 主のご降誕を待ち望むアドベントの日々を、静まって祈り深く過ごしたいと願いながらこうして多忙に過ごしている自分に、生きるいのちのすべてへ思いを向ける広い内的な空間を与えられた感覚。美しいのはいのちの輝きだということ。自然も動物も人間も、その輝きをただひたすらに見せ合って輝かせ合って生きられればいいのだということ。輝かせ合うために、私は何をすればよいかを知って行動すればいいのだということ。

 東さん、ありがとうございました!
 感謝いっぱい。


 以下、本日のプログラムです。

*ペトラルカのソネット第104番 巡礼の年:第2年「イタリア」より S.161-5
*オーベルマンの谷 巡礼の年:第1年「スイス」より S.160-6
*泉のほとりで 巡礼の年:第1年「スイス」よりS.160-4
*婚礼 巡礼の年:第2年「イタリア」より S.161-1
*メフィストワルツ第1番 S.514
*“イゾルデの愛の死” ワグナー/リスト編 ワグナー:楽劇「トリスタンと伊ゾルで」より S.447
*ピアノ・ソナタロ短調 S.178
そしてアンコールで
☆ラ・カンパネッラ
☆愛の夢第3番





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市原よしみ

Author:市原よしみ
音楽家、作詞家
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ことば・・書きます。
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